2021.1.17
なぜ不動産を貸し出すと節税につながるか?
前回では給与所得控除をお話させて頂きました。給与所得控除は自営業の方の経費に該当しまして給与所得控除額が年収850万円以上の方は来年から減ることになりますので増税になります。そしてその増税に対して不動産を持ち、貸し出すことが非常に有効です。というお話でした。 では、今回はなぜ不動産を貸し出すと節税になるのか? というお話をさせて頂きます。不動産を貸し出すと家賃が入ってきます。つまり大家さんになります。かっこよくいいますと不動産オーナーになります。この不動産オーナーになることがポイントになります!オーナーになると家賃(売上)を稼ぐために使ったお金(経費)を計上していきます。 この経費に計上できるものが以下となります。 ①減価償却費 ②ローン利用して購入した場合のローンの借入金利子 ③建物管理費、修繕積立金などの管理費用 ④固定資産税、不動産取得税(租税公課) ⑤登記費用(初年度のみ) ⑥火災保険料、地震保険料(初年度のみ) ⑦雑費 など、経費を計上することが可能です。 そうすると売上より経費のほうが大きくなります。つまり不動産経営は赤字となります。この赤字が非常に重要です!不動産所得、事業所得、山林所得、この3つは給与所得と合算して申告することが可能になります。(総合課税といいます) 例えば ご年収850万円のサラリーマンの方であれば 給与所得控除195万円 給与所得655万円 →こちらが所得つまり自営業の方でいうところの利益となります。 不動産所得が赤字であれば、赤字分、給与所得を下げることが可能になります。 不動産所得が▲100万円であれば合算すると給与所得は555万円となり給与所得を下げることができます。 ちなみに ☆655万円の所得の場合 給与所得 655万円 社会保険料控除額▲150万円 生命保険控除▲12万円 配偶者控除▲48万円 基礎控除▲48万円 課税される所得→397万円 となります。 ここに所得税率をかけると所得税額が算出できます。 397万円×20%‐42.75万円 →36.65万円 こちらが所得税額となります。 ☆もし不動産所得が赤字だった場合(赤字額100万円) 上記の表に ▲100万円加えると 課税される所得額は297万円となります。 こちらに税率をかけます。 すると 297万円×10%‐9.75万円→19.95万円 こちらが不動産所得を合算した場合の 所得税額となります。 36.65万円ー19.95万円→16.7万円節税することが可能となります! この違い、いかがでしょうか? もともとなかったものが16.7万円も取り戻すことができます! 不動産を貸し、赤字を作ることでこのように税金を安くすることが可能です。 また、赤字を合算するともともと20%だった税率が10%になります。 ltc_wp_admin こちらは所得税は累進課税制度なので所得に応じて税率が変わっていきます。 所得税の税率表を添付しますので、是非ご参考くださいませ。 課税される所得金額 税率 控除額 1,000円 から 1,949,000円まで 5% 0円 1,950,000円 から 3,299,000円まで 10% 97,500円 3,300,000円 から 6,949,000円まで 20% 427,500円 6,950,000円 から 8,999,000円まで 23% 636,000円 9,000,000円 から 17,999,000円まで 33% 1,536,000円 18,000,000円 から 39,999,000円まで 40% 2,796,000円 40,000,000円 以上 45% 4,796,000円 今回ざっくりと不動産を使った節税の全体像を書かせて頂きました。 次回もお楽しみに!